ウイスキーノート

【謎】ニッカアクアウイスキー・ラクトンメロウイング

ニッカアクアウイスキーとは

ニッカアクアウイスキーとは、ニッカウヰスキーが1999年~2003年まで、北海道限定で出荷していた透明のウイスキーです。

ニッカアクアウイスキーについて

ニッカアクアウイスキーの背面。謎の「ラクトンメロウイング」の文字が。
ニッカアクアウイスキーの背面。謎の「ラクトンメロウイング」の文字が。

ニッカアクアウイスキーはすでに終売なので、今ではなかなかお目にかかれません。おそらく販売が芳しくなかったのでしょう。

さて気になる製法ですが、「ラクトンメロウイング」という謎の工程を減ることでこのような透明のウイスキーになるようです。ジャックダニエルやジョージ・ディッケルで行われている炭濾過、いわゆる「チャコールメローイング」に通ずる名前なので、似たような工程なのかもしれません。

ただ、背面の説明を見ると、「酵母の力でラクトンを大量に発生させる」とあるだけで、いかにして透明にしているのか説明がありません。

ジョージアムーンのようなニューポット系のウイスキー以外で、透明なウイスキーというと有名なのは「ホワイトカナディアン」がありますが、これは4回蒸溜を経て樽熟成、3度の炭濾過を経て樽熟成を行っています。おそらくこのニッカアクアウイスキーもこうした作り方なのでしょう。

完全な推測ですが、

  1. 多少手間がかかっても製造→販売までの回転が早い商品を作りたい
  2. 透明になるほど何度も炭濾過すれば、ニューポットのエグミが消えて熟成期間を短くできる
  3. ただそれだと二番煎じなので、ラクトンを多量発生させる酵母を使って差別化するか

といった背景があったのではないでしょうか。※重ねて申し上げますが、完全な推測です。

ニッカアクアウイスキーの香りと味わい

小樽の「リタバー」で見つけたニッカアクアウイスキー。下の方に少しだけ残っている。

さて、そんなニッカアクアウイスキーをテイスティングしたのは2016-09-23、小樽市内のニッカバー「リタ」にて。バックバーにおいてあるものを目ざとく見つけて聞いてみると、マスターがすすめてくれました。

まずは香りですが、度数が25°と低いので、そもそも香り立ちが非常に弱い。頑張って嗅ぐと、減圧蒸溜の米焼酎で現れるような吟醸香にちかい、フルーツのような香りが若干しますが、かなり薄いです。

味わいは、水のようにスムース。すうっと飲めて、含み香から、ほのかに甘い香り、わずかなウイスキー香がします。やはりかなり薄いです。1997年のブラックニッカクリアブレンドがヒットしたことで、ライト志向の模索が会ったのかも知れませんが、1瓶1500円クラスの一般的なジャパニーズウイスキースコッチウイスキーや飲みなれていると、大変に違和感があります。

ニッカアクアウイスキーの総評

ニッカアクアウイスキーは、一般的なウイスキーとして考えると、特殊すぎるものなので大変驚きます。正直な感想としては、ウイスキーとしてみると美味しいものとは思えませんが、もう製造されない大変に貴重な銘柄であることは確か。バーなどで見かけたら一度試すのも一興です!

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