竹鶴12年の特徴
竹鶴12年は、NHKドラマ「マッサン」の影響で原酒不足になり、販売終了になってしまった銘柄。人気のほどがわかる完成度の高い味わいです。
竹鶴12年の味わい
竹鶴12年を口にしたのは、2015-07-11に、六本木ヒルズで期間限定開催されていたニッカウヰスキーストーリーバーにてストレートで。
おちょこのような小さなショットグラスで出されます。香りにはしっかりとしたピート香、奥にふんわりとした甘さもあります。
味わいはしっかりとした熟成感が感じられ、アルコールのトゲが一切ありません。高品質のブランデーのようなフルーツ感とやわらかい舌触りがあります。
一般的なブレンデッド・ウイスキーはモルトウイスキーが3割、グレーンウイスキーが7割といった比率でブレンドされますが、竹鶴12年はブレンデッド・モルト(ヴァテッド・モルト)に分類され、二つの蒸溜所のモルト原酒のみをブレンドして作られます。だから「モルト10割」ということで「ピュア・モルト」と呼んでいるのです。
もちろんここでいう二つの蒸溜所とは、ニッカのシングルモルトを出している「余市」と「宮城峡」です。それぞれ美味しいウイスキーなので、当然おいしくもなるというものですね。
竹鶴12年の販売状況
竹鶴12年は、販売終了前は2000円前後で手に入っていましたが、販売終了に伴い、アマゾンでは14000円ほどで売られています(2015-08-16時点)。
上位クラスの竹鶴17年(7500円程度)よりも高くなっている状況。
ウイスキーというものは一概に熟成年数が高ければ美味しい、といえるものではないですが、生産量に限りがあるという観点で熟成年数が長い方が高くなるのが一般的です。ちなみに、熟成のピークは15年ほどと言われています。
ウイスキーに限らず、値段を決めるのは品質ではなく市場で、供給に対して需要が増えれば勝手に値段は上がっていくんだなあ、ミクロ経済学も捨てたもんじゃないなあと妙に納得します。
こうしたことから、竹鶴12年が販売終了する一方で、熟成年数が浅い原酒をヴァッティングすることで短期的に生産量を増やせる熟成年数に縛りをもたないノンエイジ銘柄である「竹鶴ピュアモルト」が新しく販売されることになります。
竹鶴12年の総評
竹鶴12年は、国産ウイスキーを飲むのなら避けては通れない銘柄、だったのですが今やなかなか手に入らない希少品。竹鶴政孝のスピリットが詰まった逸品です。いつの日か販売再開を願いたいものです。星5つ。オススメです!