ウイスキーノート

【極上品】響12年

響12年とは

響12年とは、サントリーが誇るブレンデッド・ジャパニーズ・ウイスキーの筆頭銘柄です。

響12年について

「響」シリーズといえば、サントリー社が誇るブレンデッド・ジャパニーズ・ウイスキーの最高峰です。

ライバルであるニッカウヰスキーでは、「鶴」が唯一対抗できる銘柄になると思いますが、もはや蒸溜所で限定販売される程度でほとんど出回っておらず、ブレンデッド・ジャパニーズ・ウイスキーの世界で圧倒的な存在感を放っています。(一方で、ブレンデッド・モルトの世界では、ニッカウヰスキー竹鶴シリーズが存在感をもっています)

響12年のキャップ。高級感がある。

さて、響シリーズといえばこの「響12年」が長らくスタンダード銘柄でしたが、近年の原酒不足の煽りをうけ、NAS(ノンエイジまたはノンヴィンテージ)の「響 – Japanese Harmony」がスタンダード銘柄になっています。

もともと「響12年」で出してた銘柄なので、響12年こそが正統な「響」である、というと頑固者といわれそうですね。しかしまずは、響12年から試してみたかった。というわけでテイスティングレビューです。

響12年の香りと味わい

さて、そんな響12年は白州蒸溜所にて350m瓶を購入、自宅でしっとりとテイスティングしました。テイスティンググラスに注いだ瞬間、素晴らしい芳香が漂います。飲む前に一級品であることがわかりますね。すでに梅酒のニュアンスが感じられます。

まずは香りから。ニッカカフェグレーンを思わす甘く柔らかい香り、シーバスリーガルのクリーム、レーズンを思わすシェリー、そしてやはり梅酒様の香り。複雑さもさることながら、香りの立ち方自体も素晴らしいです。まことに香り高い。

響12年の正面。惚れ惚れするほど素晴らしいボトルデザイン。

味わいは、驚くほどスムーズ。水のようです。吉行淳之介と開高健の対談で、「(蒸溜酒の)極上品はどれも水に似ている」との話がありましたが、それを彷彿とさせるスムーズさです。あまりに華やかな香りから想像する味わいとは若干の乖離があり、驚きがあります。

意外と甘さは少なくドライで、かすかなブリニーさ、そしてピーテッドモルト由来と思われるヨード感もあります。香りの繊細さから比べると、強くしたたかな印象です。和の要素を決定づける梅酒のニュアンスもほのかにあり、スコッチの模倣ではない、日本独自のウイスキーを作るという鳥井信治郎の信念の結実であるといえるでしょう。

響12年の総評

響12年は、ニッカウヰスキーびいきの筆者も手放しで賞賛できる、素晴らしいウイスキーであるといえるでしょう。近年シングルモルトがもてはやされる中で気勢を発し続ける珠玉のブレンデッド・ウイスキー。おすすめです!

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