ウイスキーノート

【樽香】富士山麓 樽熟50°

【樽香】富士山麓 樽熟50°とは

「富士山麓 樽熟50°」は、国産ウイスキー市場では影が薄いキリンの銘柄です。樽の香りの強さ、度数の強さが特徴です。

【樽香】富士山麓 樽熟50°の香り、味わい

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センスのあるラベル

「樽熟」というだけあって、かなりの樽香です。焦がした木に由来するウッディな香りが強くあります。

またピート香が強くあり、アードベッグラフロイグスプリングバンクといった煙たいウイスキーが好きな方には合うかもしれません。

この「富士山麓 樽熟50°」からは、かなり若い味わいが感じられます。具体的にいうと、蒸溜直後のニューポットにあるような荒さが結構な割合で残っているように思われるのです。

熟成には、ラフロイグのクォーターカスクよろしく「小樽(容量180L)」を使っており、樽の内側に接する表面積を相対的に大きくすることで樽香を効率的に移しています。

確かに小さな樽を使うのは、樽香をウイスキー原酒に移すという観点では効率的ではあるのですが、長時間の貯蔵には向かないといわれています。樽の香りが移りすぎても駄目だからです。(樽の個性が移りすぎて味わいが崩れることを「樽負け」と呼ぶそうです。)

樽の香りが移るのが早いのであれば、樽負けするタイミングも早くなるでしょうから、熟成期間は比較的短くなってしまうのではないでしょうか。ノンエイジの銘柄である程度の熟成期間を求めることも、そもそもナンセンスだとは思っていますが、同価格帯のウイスキーには立派に熟成が感じられるものもありますので)

結果、時間経過によるアルコールのトゲトゲしさの減少や雑味成分の揮発といったメリットが享受できず、いわゆる若いウイスキーのまま出荷されてしまうことになるのではないか、と考えています。

そうした、熟成が難しい原酒の中で、奇跡的に樽負けせずに品質を維持できたものだけが、「富士山麓シングルモルト18年」として出荷されていたのではないでしょうか。それも2015年5月で販売終了になってしまいましたが。18年より下のクラスがノンエイジ一種ということも、適度な熟成を経させることが難しいことを裏付けているのではと思います。

ぜひ、富士山麓シングルモルト18年を復活していただき、10年や20年といった中~高級クラスも販売してほしいです。

【樽香】富士山麓 樽熟50°の総評

ピート香や樽香が好きな方にはすごくよいウイスキーだと思います。香りが強いので、ストレートよりはハイボールがお勧めです。度数が高い分、比較的安い値段で、ウイスキーの良さのひとつであるピート香や樽香がしっかりと表現するハイボールが作れます。

今後の年数付き銘柄の進展を楽しみにしたいですね。

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