カフェウオッカは、カフェ式蒸留器で作られる、原料の香味成分が生きたウォッカ銘柄です。
カフェウオッカについて
カフェウオッカはカフェ式蒸留器で作られるので香味成分が豊かに残ります。ですから商品として面白いのは間違いありません。
ただ、これまでのニッカウヰスキーの販売戦略で考えると、熟成させないのは珍しいといえます。熟成させないのはカフェジンも同様ですね。
もはやウイスキー飲みでは常識となっていますが、背景にはやはり原酒不足があるのでしょう。
世界的なウイスキーブームによって原酒不足に陥り、ノンビンテージ銘柄(ノンエイジ銘柄)のリリースによって間をつなぐものの、それでも限界がある。
そこで熟成以外の方法で面白い商品を作るということを考えたのでしょう。ニッカからの解答が、このカフェウオッカとカフェジンなのでした。
製法は、モルト原料のニューメイクとトウモロコシ原料のニューメイクをヴァッティングし、加水してから白樺の炭で濾過して作られているとのこと。
白樺での炭濾過はあえて強度を落とすことで原料の香味を残しているそうです。
ロシアのウォッカは、国が管理する蒸溜所でピュアなアルコールを作り、それを各種メーカーが買い取って加水や甘味を添加して差別化する仕組みです。つまり原料や蒸溜で差別化ができないのですね。
その点、このカフェウオッカは蒸溜工程やブレンド時点で差別化ができるので、これまで一般的だったロシア製のウォッカと比較するとかなり面白いものであるといえるのではないでしょうか。
カフェウオッカの香りと味わい
アルコール自体の香り、というものは基本的に存在しないのですが、高級アルコールやそれに溶け込む原料由来の香味成分が非常に強くあります。
これもやはり、カフェモルトやカフェグレーン同様に、強い吟醸香を感じます。
モルトとトウモロコシの比率は明示されていませんが、トウモロコシの比率が大きそうです。トウモロコシ特有の、少しエッジのきいた甘い香りですね。
ニッカのザ・麦焼酎や、減圧蒸溜の焼酎でも感じる、アルコールの中でも爽やかというか鼻にスッと入ってくる独特の香りが強くあります。
味わいはやはりソフト。白樺で濾過されている故か木由来の味わい、香りも少し感じます。ウオッカらしいスッキリとした味わいというより、原料由来の濃厚さが映える強い味わいです。甘さ、さっぱりとしたビター感があり面白いです。
カフェウオッカのまとめ
これまでのウォッカと一線を画すリッチな逸品。ストレートでもじゅうぶん美味しいのですが、カクテルにも面白いでしょう。摘みたてのトマトで作るブラッディ・メアリーなど、リッチなカクテルさいに最高に合うのではないでしょうか。おすすめです!