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【カフェ式】ニッカ カフェグレーン

カフェグレーンは、ニッカのシングルグレーン銘柄。宮城峡蒸溜所のカフェ式蒸溜器で作られる香味豊かなグレーンウイスキーです。

カフェグレーンについて

カフェグレーンこそはニッカウヰスキーの圧倒的な競合優位性でした。

今でこそ、キリンがマルチカラム・ケトル・ダブラーの三種のグレーンの優位性をうたうようになったものですが、ニッカがカフェ式蒸留器はグレーンの革命でした。

カフェグレーン原酒が生まれるまで、ジャパニーズウイスキーは、モルトウイスキーと中性アルコールをブレンドして作られていました。

今でも一部の安いウイスキー、たとえばキングウイスキーの「凛」などは「ブレンドアルコール」という名称で中性アルコールが使われていますが、もはや少数派となっています。

樽熟成をされていない中性アルコールはやはり尖った印象がありますから、柔らかい香味特性を持ち樽熟成されたカフェグレーンは「ソフト」な印象として受け止められました。

以降、カフェグレーンを用いた柔らかく飲みやすいウイスキーは「ソフトウイスキー」という新しいジャンルを生み出し、以後の市場を牽引していくことになります。

以後、ブラックニッカからフロム・ザ・バレルに至るまで、ニッカのブレンデッド銘柄を下支えしてきました。

ブラックニッカ・ブレンダーズスピリットのボトル。高級感がある。
ブラックニッカの魂を受け継ぐブレンダーズスピリット。

 

「このカフェグレーンをグレーンウイスキー単体として売り出せないか」ということで、カフェ式蒸留器の香味特性、つまり非効率であるがゆえに原料の香味が残る特徴を活かしたブレンドで2012年に欧州でリリースされたのがこの「カフェグレーン」です。

単純に恐ろしく美味しいだけでなく、上記の通りニッカの屋台骨を支え続けてきたロマンを楽しめるのがこのカフェグレーンなのです。

カフェグレーンの香りと味わい

恐ろしく馥郁とした、強烈な香り。樽香、特にバニラ香が印象的。クッキーや古河市カラメルといった糖やデンプンの加熱由来の香り、チョコレート、トウモロコシ。

味わいはシングルグレーンらしくスムース。舌に触れると樽由来の甘みとビターが刺さります。ブラントンなどの度数高めのバーボンに通ずるドライな口当たり。

カフェグレーンのまとめ

シンプルにいって最高です。こればかりでは飽きるかもしれませんが、シングルモルトやブレンデッドばかり飲んでいる時にたまに栓を開けるとアクセントに良いでしょう。

また、面白いシングルモルトが入ったら、このカフェグレーンと手元でブレンドして、お手製のブレンデッドを楽しむのも乙ですね。

一家に一本。おすすめです!

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