バランタイン・ハードファイヤードのボトル。

【無乾燥樽】バランタイン・ハードファイヤード

バランタイン・ハードファイヤードとは

バランタイン・ハードファイヤードとは、バランタインシリーズの新しい銘柄。アルコールが樽に残っている状態でチャーリングする「ハードファイヤーリング製法」で作られた樽でフィニッシュしています。

バランタイン・ハードファイヤードの香りと味わい

バランタイン・ハードファイヤードのボトル。
バランタイン・ハードファイヤードのボトル。通常の12年ものに近い形状。

同クラスの銘柄であるバランタイン12年と比べるとかなり個性が強いです。

バニラ香というより、シェリーカスク系でよく感じられるような紹興酒香が強くあります。悪く言えば生臭く、良く言えばリッチな香りです。

甘い香りはありますが、バニラやチョコレートやハニー、フレッシュフルーツのようなわかりやすいものではなく、むしろレーズンのようなドライフルーツ系の甘さ。

一方で味わいは濃厚。一般的なスコッチではなかなか感じられない濃厚な樽感があります。ビリビリとしたスパイシーな刺激に、ビターでざらついたコクのある、ヘヴィな味わいです。

少量加水するとフレッシュフルーツ系の香りが目立つようにはなりますがやはりバニラ感はあまりなく、どちらかというと乳脂肪系のクリーミィな香りが引き立ちます。味わいはより解像度が上がりますがバランスは崩れがち、一対一以上に加水するとかなり崩れます。ストレートかごく少量の加水までが良いでしょう。

バランタイン・ハードファイヤードのまとめ

ウイスキーは香りが9割というのが筆者なりの持論ですが、バランタイン・ハードファイヤードは香りは凡庸だが味わいが面白いという稀有な銘柄だと思います。やはりアルコールが残った状態の、より「なま」に近い状態の樽から出てくる特徴があるのでしょう。

「ハードファイヤード樽」というより、チャーリングの前にカラッカラに樽を乾燥させる「乾燥」の工程を省いた「無乾燥樽」と呼んだ方が、より説明として適切かもしれません。

バランタイン・ハードファイヤードは、特殊な製法に起因する変わった味わいが楽しめる面白い銘柄です。ぜひおためしください!

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