バランタイン17年とは
バランタイン17年とは、スコッチの王道をいくブレンデッドウイスキー、バランタインシリーズのハイクラスの銘柄。「ザ・スコッチ」の通り名に恥じない傑作です。
バランタイン17年の来歴
バランタイン17年はスコットランドでも特別な銘柄として扱われており、このバランタイン17年のみにフォーカスした一冊の本、「The Scotch」が出版されるほどです。
この本 によれば、バランタイン17年を生み出したのは、著名なウイスキー鑑定家のジェームズバークレー、ウイスキー研究者のジェームズ・ホーンそしてバランタイン社の初代のブレンダーであるジョージ・ロバートソンの三人組でした。1937年のことです。
この三人は、究極の年代物ウイスキーを作るためにベストな熟成年数を討議した結果、「17年以上」のモルトがベストであると判断しました。そのさいのモルト原酒は、スコッチ・ウイスキー協会で「偉大なる7銘柄 magnificent seven」と呼ばれていた
が挙げられました。
またボトルは当時は褐色で統一されていたなか、バランタイン社のものとわかるように緑色にし、スチルマンの職人技を称える意図でネックの部分をポットスチルに似せて作りました。
バランタイン17年の香りと味わい
まずは香りから。突出したものがなく素晴らしいバランスで香りが立ち上がります。甘さやピーティといったものは要素として完全に組み込まれており、荘厳なハーモニーです。もはや美しさすら感じるほどの、恐るべき調和があります。
分析的にアプローチすると、甘い香りがメインで、バタースコッチ、クリーム、ビスケット、バニラ、リンゴ、砂糖菓子、メロンやバナナなどの吟醸香、ドライフルーツ。
味わいは、やはりクリーミィ。刺激感はなく、非常にマイルド。飲み込んだのちには、クリームの奥からごくごく控えめなピートが顔を覗かせます。
加水するとバタースコッチ、ビスケット、そして洋梨系のフレッシュフルーツの香りが立ちます。味わいは全体に薄まりますが木のビター感が強調されるようです。
バランタイン17年のまとめ
バランタイン17年は、期待を裏切らない、恐ろしく素晴らしいものでした。ため息がでるほどのハーモニーはフロム・ザ・バレルや響などに象徴されるジャパニーズ・ウイスキーの「調和」というブレンド志向において、ひとつのお手本になりうるものだと思います。ザ・スコッチの名に恥じない最強の一本。おすすめです!