キルベガンは、アイルランドのキルベガンで作られる銘柄。小さい特殊なスチルを使用しているのが特徴です。
キルベガン蒸溜所について
キルベガン蒸溜所は、現存する蒸溜所で最も古い蒸溜所として知られています。(同じく世界最古をうたうブッシュミルズ蒸溜所は来歴が怪しいことがあり、現存するものとしてはこのキルベガン蒸溜所が最古であるということが定説になっています)
以前は、プルスナ、ロックスといった名前でも知られていたそうですが、今となってはそのボトルを見つけるのは限りなく難しいでしょう。
またこのキルベガン蒸溜所は、以前は1880年代の水車ですべての動力をまかなっていたそうで、現役のウイスキー博物館としても機能しており、観光客も多いそうです。
博物館の文脈でいうと、連続式蒸溜機(なんとカフェスチル!)の展示があったり、以前つかわれていた大型のスチルがあったりと、見るものにも事欠かないとのこと。
またウェアハウスは、砂漠に飛行機の格納庫を作る要領でつくられたそうで、なんとも「格納庫」の見た目をしています。そこにラック式で積まれているそうです。これも現物みないといけないですね。
一度アイルランドに行って見てみたいもの。近くにはタラモア蒸溜所もあるのでハシゴです。
キルベガンの香りと味わい
香りを嗅いでまず抱いた第一印象は、「長濱蒸溜所のニューポットに似ているな」というものです。
これホントに稼働してるの?といったくらいに小さな丸いスチルで蒸溜されているので、視覚的な印象からそう感じてしまったのかもしれませんが、やはりスチルのサイズなどに特有の個性が出てくるのでしょう。
宮城峡モルティ&ソフトに通ずる、穀物酒を蒸溜したとき特有の香りが非常に強く、悪く言えば未熟成感が強く、よくいえば豊かな香りがあります。
一方で、グレーン原料の割合が多いのか、非常にさらっとしており、オイリーさが目立ちがちなアイリッシュのなかでは非常にさっぱりとした味わいになっています。
おそらく、スチル由来の原酒率が少ないことで、逆に強烈すぎる個性がうまく中和されて飲める酒になっているのだと思います。
キルベガンのまとめ
キルベガンは、上等のウイスキーと比べると見劣りする部分はありますが、小さい特殊なスチルが生み出す個性が強烈に残っており、クラフト感のある非常に楽しいウイスキーです。
ぜひ一度飲んでみてほしい銘柄。おすすめです!