ブラックニッカ リッチブレンド エクストラシェリーは、ニッカウヰスキーの代表ブランド「ブラックニッカ」シリーズの限定銘柄。シェリー樽原酒をキーモルトに、芳醇でなめらかな香りが特徴的に表現されています。
ブラックニッカ リッチブレンド エクストラシェリーについて
「ブラックニッカ」ブランドは、2016年のブラックニッカ・ブレンダーズ・スピリットを皮切りに限定リリースを続けており、
に続く第4番目の限定リリースになります。
ブレンダーズスピリットは長期熟成モルト、クロスオーバーはピート&シェリー、アロマティックはビターと果実感を特徴にした一本でした。
今回のブラックニッカ リッチブレンド エクストラシェリーは、その名の通りシェリーのニュアンスを強化した銘柄で、10年以上熟成させた宮城峡モルトをキーモルトにしているとのこと。
※ちなみに2018年9月には、次の限定商品がリリースされることも決まっており(9/24追記:ブラックニッカ ディープブレンド エクストラスイートがリリースされました)、こちらも大変楽しみです。おそらくブラックニッカスペシャルのカラメル感を強化した香りになるのでは、と想像しております。
ブラックニッカ リッチブレンド エクストラシェリーの香りと味わい
まず香りから。非常にまとまった、甘くなめらかな香り。よく練り上げられた蜂蜜のようになめらかです。
香りは甘く、内訳はドライフルーツ系の果実香、シナモン、蜂蜜、洋梨。ほのかなスモーク感がニッカらしいビターさも補完しており、香りに輪郭をあたえています。
若いアルコール感もなく、全体に非常に高品質なブレンドであることがよくわかりますね。
味わいはブレンデッドらしく非常にスムース。蜂蜜やキャラメル、シナモンの香りを伴った芳醇な甘さ。刺激感はほとんどなく、よいグレーン原酒がふんだんに使われていることがわかります。
ウイスキーとは香りを楽しむもので、味わいに関してはあまり良し悪しは言えないと思っているのですが、このエクストラシェリーは味わいが非常に良いですね。強烈な香りの個性が開くシングルモルトでは絶対に実現できない味わいだと思います。
シングルモルトという概念が一般的でなかったころ、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝はブレンデッドこそがウイスキーでした。
年数表記もせず、純粋にベストの配合で、嗅いでおいしい飲んでおいしいブレンデッドウイスキーを作っていたのですが、その「一昔前まで一般的だった理想のウイスキー商品像(皮肉ではなく、本当の褒め言葉です)」の思想が結実している傑作のように感じます。
ブラックニッカ リッチブレンド エクストラシェリーの総評
控えめにいってブレンデッドとしてかなり上等の銘柄。これが2000円強で買えるのは僥倖ですね。シングルモルト偏重の現代のウイスキーマーケットにおいて、ブレンデッドの真価を示した質実剛健の銘柄として素晴らしい一本だと思います。おすすめ!