オールド・パー・シルバーのボトル。

【スパイス】オールド・パー・シルバー

オールド・パー・シルバーとは

オールド・パー・シルバーは、老舗ブランドであるオールドパーの新銘柄です。

オールド・パー・シルバーの香りと味わい

オールド・パーといえば、かの岩倉使節団が持ち帰ったことで知られ、ボトルを斜めにしても立つことから縁起が良いとされ、吉田茂や田中角栄が愛飲したことでも知られています。

スタンダードのオールド・パー12年は、今となっては4000円弱で買えるほどの手頃な商品ですが、昔は本当の高級品でした。

ジョニー・ウォーカー・ブラックラベルシーバスリーガルと並び、なかなか手に入らないもので、ガラス棚に入れて大事に保管しておくようなものでした。

一方で、度重なる酒税法改正や経済自由化によって、スコッチウイスキーの値段は一挙に下がってきました。あれほどありがたかったオールド・パーも今や数千円で購入できる時代。

ジャパニーズウイスキーと並び、あまたある選択肢の中から選ぶ1銘柄としての存在感になっていました。

そうした中で生まれたのがこのオールド・パー・シルバーです。マイナス6度のチルフィルター(冷却濾過)でスムースな味わいを実現しています。

オールド・パー・シルバーの箱
マイナス6度の冷却濾過でスムースな味わいを実現、とある。チルフィルターをポジティブなものとして扱う珍しい例。

外箱には、製法の由来として、「極寒の季節に原酒樽を放置してしまったことがあって、それがたまたまスムースな味わいを生んだ」とあります。

これほどとってつけた感のある眉唾情報もなかなかないですね。

また、スムースなスコッチである帰結として、どんな機会・場所でも楽しめる、例えばBBQや友達との週末パーティでも…といったことも記載があります。

つまり、ゆったりストレートやロックで飲むためというより、炭酸や水で割ってみんなで楽しく飲むための銘柄なのでしょう。

マーケティング思想としては、ジョニ黒におけるジョニ赤のような立ち位置で、裾野を広げる意図があるのだと思われます。

さて、前置きが長くなりましたが、テイスティングしてみます。

まず、ストレートで嗅いでみると、かなり未熟成感のある香り。スコッチと銘打つ以上、少なくとも三年以上は樽熟成されているはず(ウイスキーの法律のページをご参照)ですが、これはおそらくギリギリですね…。

サルファリー、ビター、ウッディ、パンジェント。

味わいは黒胡椒、穀物感、ハスク。総合して、かなりスパイス感のある味わい。

ハイボールむきの銘柄として知られるデュワーズにかなり近い味わいに感じます。というより、デュワーズをかなり意識して作られているように思えてなりません。

価格差を考えれば当然ですが、デュワーズよりは原酒率が高いようには感じます。

オールド・パー・シルバーのまとめ

ハイボールでゴクゴク飲むための銘柄を目指して作られているようですが、一方でそれなりの値段になりますので、じっさいには扱いに困る一本です。

経済的にハイクラスな人が集まる、ちょっとカジュアルな飲み会で、プレミアムなハイボールを楽しむのには良いかもしれません。デュワーズでは普通すぎるし、かといってハイボール用にタリスカーザ・グレンリベット・ファウンダーズ・リザーブを買うのはちょっと贅沢すぎる。

そうした時に、このオールド・パー・シルバーはちょうど良い銘柄かもしれませんね。ストレートではイマイチですが、ハイボールで本領を発揮するタイプの銘柄。

ぜひ友達や家族で和気あいあいと楽しんで見てください。おすすめです!

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