I.W.ハーパーとは
I.W.ハーパーは、雑味の少ない洗練された味わいが特徴のプレミアムバーボンです。
I.W.ハーパーの歴史
I.W.ハーパーはつづりがWHISKEY(Eがあるタイプ)なので、他の多くのバーボンと同様に、アイリッシュ系の移民が作ったタイプの銘柄かと思っていました。(たとえばメーカーズ・マークはスコットランド系の移民なのでWHISKYというEが入っていないつづり)
ところが、もろもろ勉強をはじめて知ったのが、I.W.ハーパーはドイツ系のアメリカ移民、アイザック・ウォルフ・バーンハイムによって作られた銘柄です。
高品質なバーボンを作ることによって金賞をとり、以降「ゴールドメダル」が銘柄の二つ名となりました。それに違わない洗練された香りと味わいが特徴です。
I.W.ハーパーの香りと味わい
じつは、IWハーパーというとものすごくメジャーな銘柄なので、すでに記事にしたと思ってボトルをあけてしまっていました。
雑味がなく負担がすくないので、どれにするかなあ、と悩んだ時に気軽に飲めるタイプといえるでしょう。
まず香りの特徴としては、わかりやすいバニラ香、つまり木の香りが出ていることでしょう。ストレートでももちろん、少量加水してもバランスを崩さずリッチな木の香りが出ています。
バーボンの身上は、なんといっても
- 新樽
- トウモロコシの香り
の2つです。アメリカでバーボンと名乗るためには、ホワイトオークの「新樽」で熟成させなければなりません。それはつまり、アメリカ政府が定める「これこそがバーボン」と示す姿勢の現れでもあります。
たとえばスコッチでは、「オークで3年以上熟成させなければスコッチと呼ばせない」という強い姿勢が酒税法にあらわれています。(一方で日本では、ジャパニーズ・ウイスキーと呼ぶのにろくに定義されていないのが辛いところです)
そうした意味で、この新樽の香りが強いI.W.ハーパーは、バーボンというものの本質をとらえた素晴らしい銘柄であると思います。
また別のアプローチとしてトウモロコシの香りの主張を活かしているものではアーリー・タイムズがあります。この日向臭い素朴なバーボンも、ある意味バーボンの正統といえるかもしれません。
さて、新樽系の香りが強い銘柄ではジム・ビームがありますが、こちらはI.W.ハーパーに比べるとバニラの主張を尖らせており、新樽というよりバニラの香りが強いですね。
こうしてみると、スタンダードなバーボンのなかで、バーボンとしての本道をいっていて、かつ最も洗練されているのがこのI.W.ハーパーといえるのではないでしょうか。
I.W.ハーパーのまとめ
この記事でみてきたように、I.W.ハーパーは王道といって差し支えない洗練されたバーボンであるといえるでしょう。バーボンを知るためには避けて通れない基本の一本。まだテイスティングしたこの無い方は早めの購入がおすすめです!