ワイルドターキーは、プレミアムクラスのバーボン。樽詰め度数や樽からの瓶詰め本数などにこだわりがあります。
ワイルドターキーの香りと味わい
ワイルドターキーといえば、バーボンのなかでも比較的高級な部類に入ります。
といっても、このワイルドターキーのスタンダードでは2000円しない程度。スコッチのシングルモルトと比べれば比較にならない安さですね。
ワイルドターキーはどのあたりがプレミアムなのかというと、
- 樽詰め度数
- 瓶詰め本数
の2点。
まず樽詰め度数は、54~55度。USのバーボンの定義では、樽詰め時の度数は62.5度以下であることが定められており、多くの蒸溜所が62度程度で樽詰めしていますから、非常に低い樽詰め度数であるといえるでしょう。
55度での樽詰めといえば、日本の富士御殿場蒸溜所のグレーン原酒もおなじく55度での樽詰めでしたね。
度数が下がると、おそらく熟成が遅くなります。しぜん、樽詰め期間が長くなり、それだけ未熟成感が抜け、こなれた原酒になるのかもしれません。
さて、もう一点の瓶詰め本数ですが、1つの樽から15ケースまでしか作らない、というところにこだわりがあるそうです。
なぜなら、多く瓶詰めするためには、多く加水する必要があり、そのぶん風味が失われる、という理屈だそうです。
いや、ちょっと待てよ、それって単純に、樽の中の度数が低いから、加水しようがないってことでは…?
と思ったのですが、そこを強く指摘するのも野暮ですね。
さて、そんなワイルドターキーの香りと味わいです。
まず香りですが、ジム・ビームのようなバニラ香や、アーリータイムズの日向くさいコーンは弱く、ヘブンヒル同様の樽感が強い香りになっています。
味わいはシュガー系の甘さが前面に来て、樽由来のビター感、キックでバニラ感。ここでもコーンは弱いので、マッシュビルのうちのライ麦比率が大きいのかもしれません。
ただ、どの要素を尖らせよう、という意図は見えず、王道を突っ走ってやるぜ、という強い意思が感じられます。
ワイルドターキーのまとめ
ワイルドターキーは、ストレートで飲んでおいしい本格派。バーボンを語るうえでは避けられない王道の銘柄です。バーボンの基準を知るためにも、おすすめです!