ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンド

【ワイン樽】ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンド

ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンド(Johnnie Walker Wine Cask Blend)は、ブレンデッド・ウイスキーの代表ブランド「ジョニーウォーカー」の新銘柄。その名の通りワイン樽で熟成させた原酒が映えるようなブレンドが特徴です。

ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンドについて

ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンド
ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンド。ウイスキーのボトルにありがちな重々しさがなく、むしろ軽妙なデザイン。

「ジョニーウォーカー」ブランドは、近年の「クラフト」ブームを外さず、ブレンダーズ・バッチと銘打った、作り手の個性を活かした特徴的なブレンデッドをリリースしています。

ちなみに、このワインカスクブレンドに先だって、「ブレンダーズ・バッチ・トリプルグレーン」という、グレーン原酒にフィーチャーした銘柄もリリースされています。これも別途テイスティング記事をアップ予定です。

ワインカスクブレンドは、「エイミー・ギブソン」というブレンダーの作品で、

ワインのように食事、特にデザートとのマリアージュを楽しめる新しいスコッチを作る

というコンセプトで作られています。果たしてどんな香りと味わいを楽しめるでしょうか。

ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンドの香りと味わい

まず香りから。ブレンデッドらしい丸く統制のとれたバランスの良い香味。甘い香りが第一の印象に残ります。特にドライフルーツ、レーズンの香味です。

一方で、いわゆるシェリー系のブレンドとは違う、赤ワイン、それもボジョレーヌーボーのような若くてみずみずしく、しかも荒々しさがあるワインが脳裏に浮かびます。

スワリングして香りを広げると、若草、はちみつ、花、ゴム、キャラメル、コーン、薪の燃えカスといった香りが開きます。全体に、甘さと渋さが立ったバランスです。

ヨード感の少ないピート原酒も使われているのか、甘い香りが花開くなかで、うまく渋い香りが全体に輪郭を与えています。ここは明確なスモーク感のあるジョニーウォーカー・ブラックラベル(ジョニ黒)とは明確な差別化の意図が感じられます。

次に味わい。ストレートで飲むと非常にビターが際立ちます。というか、ビターすぎますね。おそらくグレーン比率が大きいためか、未熟成感は感じられませんが、ストレートで味わうには正直バランスを欠いているようです。これはちょっと驚き。

ただのビターではなく、アイランズ・モルトのタリスカーで感じるような、ちょっと喉にガツンとくるインパクトの強いビター感。これは影を潜めているピート原酒由来のものかもしれません。

普段はロックにはしませんが、公式の写真でもロックグラスで楽しんでいる様子が映されているため、ロックにしてみます。しかしロックにしてもビター感が強く、あまりバランスはよくない様子。

ところがハイボールにすると、華やかな香りとビター、そしてコーンの穀物感が立った素敵な食中酒になります。これはバランスが良いですね。というより、このワインカスクブレンド、最初からハイボールにしてベストになるブレンドにしているのでは、という気がします。

ハイボールなら、ストレートでは強すぎるビターがちょうどよく、炭酸とあいまって口中をさっぱりと洗い流し、胃をストレッチして、良い具合に食が進みます。オリーブオイルをたっぷり使ったイタリア料理などと相性が良いかもしれません。

ジョニーウォーカー・ワインカスクブレンドの総評

ストレートやロックでは真価を発揮できないかもしれませんが、ワインに近い甘い香りが特徴のおもしろい銘柄だといえるでしょう。総評として、ワインのニュアンスとビターを兼ね備えたハイボール用のウイスキーとしては唯一無二のポジションになりうる銘柄だと思います。おすすめ!

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