富士御殿場蒸溜所12年レッドワインカスクは、キリンのシングルモルト銘柄。貴重な赤ワインカスクでフィニッシュしたプレミアム銘柄です。
富士御殿場蒸溜所について
富士御殿場蒸溜所はKIRIN社が擁する蒸溜所で、白州蒸溜所と同じく1973年に誕生しました。当時の最新技術を用いて設計されており、マルチカラム、ケトル、ダブラーという3種のグレーン蒸留器を用いて多種のグレーンを製造できることが強みです。
モルト蒸溜用のポットスチルはストラスアイラに良く似た形でフルーティで繊細な香りが抽出されます。
このあたりは、富士御殿場蒸溜所の見学レポの記事にて詳しく書いておりますので興味がおありのかたはぜひそちらをご覧ください。
こちらの記事では富士御殿場蒸溜所12年レッドワインカスクについて掘り下げていきます。
まず富士御殿場蒸溜所では、樽の99%はバーボンバレルです。限定ツアーで貯蔵庫を見学させていただいたこともありましたが、確かにバーボンバレルのみを想定したラック式の作りになっていました。
パンチョンやシェリーバット等は例外として特別な場所に配置するしかないのですね。そうした面でみても、富士御殿場蒸溜所のレッドワインカスクは貴重であることがわかります。
KIRIN社は、銘柄の種類を絞って高品質なものを安く大量に生産するのが得意なイメージがあるので、こうした特殊銘柄は本当にプレミアムなものだと思います。それだけにありがたくテイスティングしてみました。
富士御殿場蒸溜所12年レッドワインカスクの香りと味わい
ルビーのように赤く美しい色味から、只者ではない雰囲気がビシビシと伝わってきます。
香りは、上等な赤ワインのフルーティな香り。マスカットではなく、しっかりと熟した青黒いブドウのワインの香りです。
シェリーカスクの銘柄は独特の熟成香(紹興酒香)があることが少なくないのですが、それがいっさいなく、潔いフレッシュさ。これがワインカスクの身上なのでしょう。
優雅でフレッシュな香りの一方で、味わいは相当に力強く、ビリビリとした刺激が全面に出ますが、不快な未熟成感はなく、さすがプレミアム銘柄の意地といったところでしょうか。樽由来のポリフェノール、タンニンがグサグサと来ます。
加水でさらにフルーティ。ごく上等な赤ワインの香りになります。
富士御殿場蒸溜所12年レッドワインカスクのまとめ
当然ながら非常に貴重な一本。富士御殿場蒸溜所とオフィシャル通販サイトでしか購入できなかった銘柄ですので、富士御殿場蒸溜所の試飲コーナー以外で確実に飲む手段がほとんどありません。
もしバーなどで見かけたら是非頼んでほしい銘柄です。ジャパニーズ・ウイスキーの宝物の一つとして記憶に刻まれることでしょう。おすすめです!