グレンダロウ(glendalough)の13年。ボトルには聖ケビンが描かれています

【13の奇蹟】グレンダロウ13年

グレンダロウ13年は、アイルランドのグレンダロウ蒸溜所で作られるシングルモルト銘柄。聖ケビンの奇蹟にあやかった、面白い銘柄です。

グレンダロウ13年について

グレンダロウ蒸溜所はいわゆるクラフトディスティラリーに分類される小さな蒸溜所で、ガレージのような見た目の蒸溜所で細々と蒸溜を続けています。

グレンダロウ(glendalough)のglenは「静かな渓谷」、daは「2つ」、loughはスコットランドでいうlochと同じく「湖」を意味し、2つの湖がある静かな渓谷ということだそうです。現地の発音では「グレンダロック」「グレンダロッホ」といったほうが近いかもしれませんね。

グレンダロウ蒸溜所を取り巻くストーリーは、こちらの公式動画で詳しく紹介されています。

この動画からわかることをあらためて書くと以下のとおりです。(英語をなんとか聞き取って解釈しているので、理解が怪しいかもしれませんがご容赦ください)

ドイツのホルスタイン製の小さなスチルで、ポチーン(じゃがいも等を原料とするシンプルな蒸留酒で、アイルランドで密造酒として扱われていたもの)やジンも作っています。

グレンダロウの近辺はアイルランドに伝わる聖ケビンの伝説があり、7年の野生での生活のあと7つの教会を作ったことが知られています。それゆえにシングルモルトの熟成年数は「7年」にしているのですね。

また、7年の野生生活と、7つの教会を作るのとに費やした年数が13年だったということで、今回レビューする銘柄であるシングルモルトの「13年」をリリースしているそうです。

また13といえばアイルランドでは縁起の良い数字として知られています。

13という数字は、上記の動画にあるように聖ケビンが湖で(庵からという説もあるそうです)祈りを捧げていたらクロウタドリが手にとまって巣を作って卵を生み、13日後にそこで孵化し、さらに13日後に手から飛び立った、という伝説にも現れていますね。

グレンダロウ13年の香りと味わい

グレンダロウ(glendalough)の13年。ボトルには聖ケビンが描かれています
グレンダロウ(glendalough)の13年。ボトルには聖ケビンが描かれています

かなりスピリチュアルなストーリーがある銘柄なので、香りと味わいにどういうふうに現れているか楽しみにしてテイスティングしてみました。

存外に非常においしい!

シングルモルトのはずなのですが、マイルドで非常にやわらかく、一瞬ブレンデッドかな?と考えてしまうほど。

バーボンバレルのファーストフィルで熟成されているそうなのでウッディかつバニラの強い香り。味わいにはバニラアイス系の甘さやフルーツが際立ち、ビター感やスパイス感は弱め。

バーボンバレル由来のバニラ香を軸に、フルーティさを添えてさっぱりとまとまっている印象です。

グレンダロウ13年のまとめ

天使の分け前といった表現に神秘性をもつのがウイスキー文化ですが、なかでもケルトの色濃い伝説をまとった珍しい一本。ストーリーと一緒に楽しんでみてください。おすすめです!

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