グレンフィデック15年 ソレラリザーブについて
バルヴェニー12年 カリビアンカスクは、グレンフィデックの姉妹蒸溜所にあたるバルヴェニー蒸溜所で作られるプレミアム銘柄。ラム樽での熟成が特徴です。
グレンフィデックといえば、スペイサイドのダウタウンで操業する歴史ある蒸溜所で、シングルモルトという概念を提唱したはじめての銘柄を出したことでも知られています。
グレンフィデック蒸溜所を擁するウィリアム・グラント&サンズ社は、グレンファークラス同様、創業いらい家族経営を続けており、敷地内に姉妹蒸溜所のバルヴェニー蒸溜所、キニンヴィ蒸溜所をつくるなど、着実に経営基盤を固め続けています。
ほかにも、ウイスキー製造に欠かせない火と水と土の三要素を示す三角形のボトルを実用化したり、(これは同社のブレンデッドのグランツ・ファミリー・リザーヴでも同様ですね)姉妹蒸溜所の三点をブレンドしたモンキーショルダーというブレンデッドを発売したりと、話題に事欠きません。
さて、ここで本題のグレンフィデック15年ソレラリザーブのご紹介です。
「ソレラ」とはソレラシステムのことで、スペインのヘレス地方で作られる酒精強化ワイン、いわゆるシェリーの製造の際に用いられる手法のことです。
具体的には、
- ダンネージ式のイメージで樽を縦に積み重ねる
- 最下段の樽には熟成が進んだ原酒が入っており、最上段には新しい原酒が入っている
- 原酒を汲み取るさいは、最下段の樽から取る
- 最下段の樽の量がひとつ減った分を、ひとつ上の段の樽から補填する
といった仕組みです。このグレンフィデック15年ソレラリザーブでは、シェリー樽、オーク樽、新オーク樽の三種類が使われているそうです。
原酒の汲み出しと継ぎ足しのバランスを維持すれば、常に熟成済みで、かつ樽ごとの熟成の差が抑えられたウイスキーができあがるというわけです。
一般的にウイスキーの熟成といえば、樽ひとつひとつを単位として熟成を進め、ブレンド後のマリッジの際にしか樽の移し替えを行わないので、かなり稀有で特殊な熟成手法をとっているといえるでしょう。
グレンフィデック15年 ソレラリザーブの香りと味わい
さて、そんなグレンフィデック15年ソレラリザーブの香りと味わいです。
まずは香りから。ひと嗅ぎしてさすがのシェリー香があります。クオリティの圧倒的な違いがあります。さすがグレンフィデックの15年ものです。
味わいも非常にスムース。マイルドで柔らかい、ビターな赤ワインのニュアンス。ドライフルーツの甘さも。スパイス、スモーク感は感じられません。非常にバランスが取れています。
総合して、グレンフィデック15年ソレラリザーブは、素晴らしい完成度のプレミアム・シングルモルト銘柄だと思います。サントリー社が輸入しているので、通販でも比較的容易に購入できます。おすすめです!