シングルモルト余市2000’sについて
シングルモルト余市2000’sは、ニッカウヰスキーの余市蒸溜所限定のシングルモルトです。
シングルモルト余市2000’sについて
シングルモルト余市2000’sは、ニッカウヰスキーの余市蒸溜所内のバー「ウイスキー倶楽部」限定銘柄で、基本的には他で飲むことはできません。
中身は、2000~2009年に蒸溜された原酒をヴァッティングしたもので、若いものでは数年、長いものでは十数年程度熟成された原酒が詰められています。
シングルモルト余市2000’sの香りと味わい
さて、そんなシングルモルト余市2000’sをテイスティングしたのは2016-09-22、余市蒸溜所内のウイスキー倶楽部にて。
度数が57%と高いことから、おそらくカスクストレングスだと思われます。それ故の香り高さが特徴のひとつといえるでしょう。
香りはヨード、スモーク、麦の焦げ。味わいはかなりドライ。ほのかにブリニー。タール。焦げ感は、やはり石炭直火蒸溜によるものでしょうか?少しだけ加水すると、甘さが立ちます。
確かに余市らしさがあり、全方位に主張がありうまいのですが、シングルモルト余市の10年以上と比較すると、味わいのバランスの悪さが目立ちます。
たとえば余市10年は、10年以上の樽でベストを尽くす志向なのだと思います。一方でこちらは、そういうふうには使われなかった原酒をなんらかの志向性をもって作られたものなのでしょう。年代物銘柄に使えなかった原酒の有効活用、といったものでしょう。
そう考えると、余市のいわゆる年代物のような味わいを志向するのは本末転倒で、余市蒸溜所はこんな幅広い原酒があって、こんなおもしろい銘柄も作れるんだよ、という観点で見れば、素晴らしいウイスキーであるといえると思います。
シングルモルト余市2000’sの総評
年代物を飲み尽くして、もっと余市蒸溜所の幅広さを味わいたい、といった際には、この余市2000’sは最高の選択肢のひとつになるでしょう。ともかく、蒸溜所に行かれたら試してみてください。オススメです!