Hazelburn(ヘーゼルバーン) 12年について
スプリングバンク蒸溜所のシングルモルトの銘柄の一つ。名前の由来は、1925年に閉鎖されたヘーゼルバーン蒸溜所からで、同所は竹鶴が研修を受けたことでも知られています。
Hazelburn(ヘーゼルバーン) 12年の香り、味わい
Hazelburn(ヘーゼルバーン)は、1997年から生産されている銘柄。スプリングバンク蒸溜所がキャンベルタウン・モルトの復活を目的に生産しています。
煙たさと塩分が売りの銘柄スプリングバンクと同じスプリングバンク蒸溜所謹製でありながら、ピート香がせず塩分も殆ど感じられない、非常に品のある味わい。ちなみに、スプリングバンク蒸溜所で出している他の銘柄には「ロングロウ」があります。
Hazelburn(ヘーゼルバーン)の味の決め手になる特徴は、
- 三回蒸溜
- ノンピート麦芽
- 100%シェリー樽熟成
の3点が挙げられます。アイリッシュウイスキーの製法としても有名な三回蒸溜は、名の通りウイスキーの蒸溜を三回行うことで、アルコールの純度を上げ、同時に雑味を取り除く工程です。
確かに、Georgia Moon(ジョージアムーン)のような、蒸溜したての荒々しいニューポットの面影は一切感じられません。もちろん、12年のエイジングによる熟成の効果もありますから、スムースな味わいの厳選が三回蒸溜によるものだけではないのですが。
Hazelburn(ヘーゼルバーン)の次の特徴は、ノンピート麦芽であること。スプリングバンクは比較的ピーティなウイスキーですが、対照的にHazelburn(ヘーゼルバーン)は全くピート感は感じられません。
おそらく、Hazelburn(ヘーゼルバーン)の最後の特徴であるシェリー樽熟成によるフルーツ感を強調する意図で、ピート香を排除したのだと思われますが、それが実にうまくいっており、葡萄酒の香りがやわらかく感じられます。
また一般的なシングルモルトと同様に、炭によるろ過(chill filtered)やカラメル添加はしていないことが濃厚な味わいに寄与しています。
Hazelburn(ヘーゼルバーン) 12年の総評
Hazelburn(ヘーゼルバーン)はニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝が1920年に5カ月間の研修を行ったこと蒸溜所でもあり、山崎や余市といったジャパニーズウイスキー黎明期の蒸溜所の直系の親ともいえるものです。
Hazelburn(ヘーゼルバーン)が閉鎖されていることを知って落胆したものでしたが、スプリングバンク蒸溜所によって面影を偲ぶごとができました。素晴らしい香りと味わい、何よりもロマンを楽しめるウイスキー、ぜひお試しください。おすすめです!