ハイニッカのボトル(2016年)。近年、初号ハイニッカに近づけてリデザインされた。

【常飲】ハイニッカ

ハイニッカについて

ハイニッカは、ニッカウヰスキーのブレンデッド銘柄。竹鶴政孝の常飲銘柄として広く知られています。

ハイニッカのボトル(2016年)。近年、初号ハイニッカに近づけてリデザインされた。
ハイニッカのボトル(2016年)。近年、初号ハイニッカに近づけてリデザインされた。

ハイニッカ(Hi NIKKA)は、「二級ウイスキーながら500円で飲める本格銘柄」としてリリースされた銘柄です。

このハイニッカがリリースされた1964年当時は日本は経済成長に湧いており、ハイファイ(Hi-Fi)音源がもてはやされたことがあり、それにかけてハイハイニッカ(HiHi NIKKA)という名称でした。

小樽のニッカバーリタでマスターに見せていただいた初代ハイハイニッカ。
小樽のニッカバーリタでマスターに見せていただいた初代ハイハイニッカ。

「ハイハイ」と呼ぶリズム感を竹鶴政孝が気に入ったそうです。

1980年ごろには、当時をときめく二枚目俳優である草刈正雄がCMに出演し、キザだけど嫌味のない演技で知名度向上に貢献しました。

CMのイントロの「ハイ、ハーイ」というコーラスが印象的で、この点は竹鶴政孝の意志が反映されたものなのでしょう。

当時のCMは、余市蒸溜所内のウイスキー博物館で閲覧できます。

余市の竹鶴邸に展示されているデキャンタボトル。晩年の竹鶴政孝はこのボトル1瓶を空けていた。
余市の竹鶴邸に展示されているデキャンタボトル。晩年の竹鶴政孝はこのボトル1瓶を空けていた。

またこのハイニッカは、竹鶴政孝の常飲銘柄としても知られています。竹鶴政孝は、晩年こそハーフボトルに抑えたものの、ハイニッカ1瓶を毎日飲み干していたと言われています。

飲み方は氷なしの水割り。

「ウイスキーは喉越しと香りがダイレクトに味わえるストレートが一番うまいが、毎日そんな飲み方をすると胃を荒らす。毎日飲むなら水割りが良い」

というのが竹鶴政孝の持論でした。唇が荒れた(=内臓を荒らしている)従業員を見ると、ストレートで晩酌していることを見抜き、上記の注意を説いたそうです。

ハイニッカの香りと味わい

さて、まずは香りから。

度数が39度と低いことから、香り立ちは弱め。ウイスキーらしい樽香、ピート香はほとんど感じられないですが、カフェグレーン由来と思われる甘くイヤミのない香りが特徴的です。

1000円以下で飲める低価格銘柄ながら、未熟成感や硫黄臭は感じられません。

味わいは非常にライトで軽やか。熟成年数が浅いモルトとグレーンが主体になっていることがわかりますが、決して嫌味がなく非常にスムース。

尖った個性が無いぶん、目立つマイナスもなく、まさに常飲銘柄として最適なウイスキーといえるのではないでしょうか。邪道ですが、黒ホッピーとの相性が最も良いと思います。

ブラックニッカクリアや「角」じゃ物足りないけど、1500円ほどするブラックニッカ・スペシャルはちょっと高い、といった方にオススメです!

この記事のURLとタイトルをコピーする