こちらもアイラ島を代表するウイスキーの一つ。スコッチ・ウイスキーの中でも、アイラ・モルトに分類されます。
アイラモルトウイスキーの例にもれず、海藻を含んだピートが用いられていますが、ボウモアやアードベッグと異なるのはヨード香がとても強いこと。
ヨードチンキの香り、あるいは正露丸といった方がわかりやすいかも知れません。初心者には癖が強すぎるかもしれませんが、飲みなれると、この独特さにやられてしまいます。
ラフロイグは、今では数少ないフロアモルティングのモルトを利用していることでも知られており、自社で発芽させたモルトをそのままピートで焚き染めます。その際、手をかざしても熱く感じないほどの低温でじっくりと麦芽を乾燥させることで、ゆっくりとじっくりと、ピートの香り成分をモルトに移し、ラフロイグ独特の香りと味わいを生み出しているのです。
ラフロイグはイギリスのチャールズ皇太子が好んだことでも有名で、シングルモルトで初めてプリンス・オブ・ウェールズ御用達の称号を戴いたこともよく知られています。
ラフロイグは普段使いにはちょっとお高めのウイスキーなので、ストレートで飲むのが一般的だと思われますが、サントリーのチーフブレンダーの輿水精一さんは、ラフロイグをハイボールスタイルで飲むのが大好きなんだとか。
いわく、「香りの層が一枚一枚めくれていく感覚」が楽しめるそうです。
この話を聞いて以来、私がバーで頼む頻度が最も高いのが「ラフロイグ10年のハイボール・スタイル」になりました。(最近はシングルモルトをストレートで頼むことが増えました)
ちなみにこのラフロイグの蒸溜所は、8つあるアイラの蒸溜所のうち、最南部にあります。
一つ東に行くとラガブーリン、さらにその東にアードベッグ。いずれもピート香が強い酒です。
やはり地域性があるんですね。