ウエストコーク シングルモルト10年は、アイルランドのコークで作られるシングルモルト銘柄。バーボンバレル熟成らしい蜂蜜の香りが特徴です。
ウエストコーク シングルモルト10年について
ウエストコーク蒸溜所はアイルランドのコークの町にて2003年から稼働している蒸溜所です。
ごく近年は、アイルランドにクラフト系の蒸溜所が多数うまれ、アイリッシュ・ウイスキーの再興の勢いおそるべし、といった状況ですが、2003年からの稼働ということはブームにのっかっていたわけではなく粛々と蒸溜を続けていた歴史のある蒸溜所であるということになります。
またウエストコーク蒸溜所は、元スプリングバンク蒸溜所のマスターディスティラー、フランク・マッカーディをアドバイザーに呼んでいるそうで、アイリッシュ・ウイスキーには珍しい、
- 年代表記つきの
- しかもシングルモルト
をリリースするというのもフランク・マッカーディの影響かもしれません。
ウエストコーク シングルモルト10年の香りと味わい
まずは香りから。バーボンバレル熟成らしい、非常に爽やかでフレッシュな香りが引き立ちます。グレンモーレンジィのような、いわゆるゴールド系のシングルモルトの定番の香りです。
グラスに鼻を近づけた時点で、シトラス、バニラ、木、フレッシュフルーツが強く香り、さらに踏み込むと蜂蜜の濃厚な香りがのぞきます。ずっと嗅ぐと、おそらく樽材由来と思われる、漢方のような薬品香があります。
味わいはドライでスパイシー。おそらく未発芽大麦を使わない(麦芽100%)ためか、アイリッシュにありがちなオイリーさはなく、非常にウェットでスムースです。
1対1の加水で蜂蜜の印象がさらに開き、よりマイルドになります。スコッチでは加水すると洋梨系のフルーティな香りが開くイメージですが、こちらは蜂蜜とクリームの印象がより強調されるのは、やはりスコッチとアイリッシュとの違いなのでしょうか。
一方で、加水すると味わいに「なま」っぽい香りが少し出てきて、若干バランスが崩れる印象があります。味わいまでしっかり楽しむなら、加水は少量に抑えたほうが良いかもしれません。
ウエストコーク シングルモルト10年のまとめ
ウエストコーク シングルモルト10年は、良い意味でアイリッシュとスコッチとの個性が調和した面白い銘柄です。しかもこの高品質なシングルモルトが4000円程度で購入できるのは僥倖でしょう。これから評価されていく銘柄ですので値上がり前の購入がおすすめです!