ジェムソンカスクメイツのボトル。一見するとほとんどスタンダードのボトルとの違いがわからない。

【ビアカスク】ジェムソンカスクメイツ

ジェムソンカスクメイツはミドルトン蒸溜所で作られるアイリッシュ・ウイスキー。スタウトビールの香りをまとっているのが特徴です。

ジェムソン カスクメイツについて

ジェムソンカスクメイツのボトル。一見するとほとんどスタンダードのボトルとの違いがわからない。
ジェムソンカスクメイツのボトル。一見するとほとんどスタンダードのボトルとの違いがわからない。

ジェムソンといえばアイリッシュ・ウイスキーの限定銘柄で、アメリカを中心に圧倒的な消費の伸びを記録している勢いのある銘柄です。

創業者のジョン・ジェムソンのSine Metsu(恐れるな)をモットーに先進的な試みを多数行っており、ジェムソンを使ったカクテル大会やオリジナルのビターズの作成などが知られています。

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Jameson Bartenders Ballの会場。人でいっぱい。スローベリービターズについて説明するゲスト。

さて、そのジェムソンがスタウトビールを熟成させた樽で作った珍しいタイプのウイスキーがこのジェムソンカスクメイツです。

こうしたビールカスクフィニッシュは、ベンチャーウイスキーの

  • 秩父IPAカスク5年
  • グレンフィデック IPAカスク

などがありますが、そうした流れにのってきた一本なのでしょう。

ジェムソンを蒸留しているミドルトン蒸溜所は、アイルランドの南、コークという都市にあります。じつは、このジェムソンカスクメイツは、そのコークで大人気のビール会社Franciscan Well(フランシスカン・ウェル)とコラボした商品です。

作りかたは以下のとおり。

  1. まずはジェムソンを樽熟成させます(おそらくバーボンバレル)
  2. この樽でFranciscan Well(フランシスカン・ウェル)がスタウトタイプのバレルエイジドビールを作ります
  3. さらに、そのビールを払い出した樽にジェムソンの原酒を入れ熟成(おそらくカスクフィニッシュ)させます

といった具合です。

ちなみにフランシスカンウェルがこの製法で作るアイリッシュスタウトは、インターナショナルビアチャレンジで金賞を取っているそうです。これで美味しくないわけないですね。

ジェムソン カスクメイツの香りと味わい

香りからいきなりスタウトビール。ビターチョコレートやバタースコッチ、そしてホップ。苦くて甘くて美味しいお菓子、といった香りがガツンときます。

ジェムソンじたいはアイリッシュらしく香り立ちは強くないので、そのぶんスタウトビールの特徴が良く出てきています。

口当たりは非常にマイルドでオイリー。ビターではありますが、しびれたり収斂性があるような味わいでなく、やはりジェムソンらしいやさしい味わい。

口中香からもカカオ、バターが広がり、そのあとにいつもの穀物感のあるライトな甘い香り、ウッディ、バニラ、最後にフルーツ、そして追いかけるようにチョコレート。

加水すると少しバランスが崩れる印象なので、ギネスなどの黒ビールをチェイサーとしてストレートで飲むのが一番おいしいでしょう。もっとも、すぐによっぱらってしまうので、あいだに白湯のチェイサーを入れるなどしてバランスをとりたいですね。

ジェムソンカスクメイツのまとめ

いまどきビールでも300mlで1000円しても驚かない世の中で、2000円台でこのレベルのウイスキーが飲めるのか、という驚くべき価格設定だと思います。

このジェムソンカスクメイツの完成度をみると、今後は、シェリーカスクやバーボンカスクなどと同様に、ビアカスクがひとつのジャンルになる日も遠くないかもしれません。

限定銘柄という記載もないようですが、売れ行きが良くない場合は確実に終売してしまうので、気になる方はいますぐの購入がおすすめです!

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