酢酸イソアミル

酢酸イソアミルは、カプロン酸エチルと並び日本酒の吟醸酒の主要香気成分といわれますが、スコッチ・モルト・ウイスキーにおいても重要な香りをもっています。

酢酸イソアミルについてさらに詳しく

酢酸イソアミルはバナナのようなよい香りがします。

日本酒では、「吟醸香」と呼ばれ珍重されてきました。普通につくるだけではあまり吟醸香は出ず、

  • 精白度を上げてできるだけ米の雑味成分をとり
  • 低温で
  • 酵母をいじめ抜くようにゆっくり発酵

といった手順をもってようやく生まれます。

ウイスキー製造の現場においても同様に、酢酸イソアミルはモロミ発酵中にうまれます。酵母の種類によっても蓄積量が変わるようです。

また、酢酸イソアミル樽の中で減衰していきます。よって、良い香りに分類されるものなので減衰を防ぎたいと考えると、やはり水蒸気が多く冷涼な地で蒸散を最低限にするというのが最適解になるようです。

ところでこの酢酸イソアミルはアルコールには溶けやすいが、水に溶けにくい、という性質があります。

ということは、ウイスキーに加水してウイスキーの中のアルコール度数が下がると揮発してくる香りの一部分を占めていると考えられますね。

加水した時にはなひらくあのフルーティな香りの主要因は、じつはこの酢酸イソアミルではないかと筆者は考えています。

参考

ウイスキー中の酢酸イソアミルの起源とその意義

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