タグ: 中硬水

ウイスキーは一般的に軟水で仕込まれます。カルシウムとマグネシウムの度合いが高いと硬い、つまり硬水よりになるわけですが、カルシウムとマグネシウムは糖をアルコールに発酵させる酵母の働きを阻害すると考えられており、理屈から考えても軟水の方が仕込み水として優れていると直感的には考えられます。

一方で、日本酒における「灘の宮水」のように、中硬水だからこそおいしくなると思われる場合も考えられます。

たとえば、日本酒の醸造のさい、低温でゆっくり発酵させることで得られる吟醸香はエステル香でありますが、これは酵母が通常のアルコール発酵する場合とは別の発酵系を動かすことでエステル香を生成するのです。

そもそも酵母というものは、酸素が十分にあるとアルコール発酵すらしないわけですから、酸素が少ない状態で水を与えてアルコール発酵させている時点で「通常とは違う回路」を動かしているわけですが、仕込み水を中硬水になると、さらに違った回路が動き出すというわけです。

それで、ウイスキーにおいても、中硬水で仕込み違う回路を動かすことで、吟醸香とはまた違ったタイプながらエステル香が立ったスイートでフローラルな香りのする原酒ができるというわけです。

実際、中硬水で仕込まれる銘柄にはスイートでフローラルな香りが特徴のものが多くあります。詳しくは下記の一覧表をご覧ください。

※ウイスキーコニサー資格認定試験 教本2015上 P42 表-7 より抜粋

このタグでは、上記のように中硬水で仕込まれた銘柄をご紹介しています。