ウイスキーの飲み方【100%楽しむ】

ウイスキーを100%楽しみつくす飲み方とは

NHKの「マッサン」の影響で、さらに裾野が広がったウイスキー界隈。「ウイスキーを100%楽しみつくすにはどんな飲み方を実践すればいいんだろう?」といった方はぜひご覧ください。「バーでウイスキーを頼んでみたいけど、頼み方で失敗したくない」といった方にも役立てると思います。

ウイスキーの飲み方についての私の基本スタンス

ウイスキーの飲み方の基本

まず結論から申し上げますと、良いウイスキーを素直に楽しむにはストレートもしくはトゥワイスアップ(氷なしで一対一の水割り)の飲み方がベストだと思っています。

ではどうして、氷を入れたり炭酸水で割ったりする飲み方が生まれたのか?なぜそうした飲み方が親しまれているのか?歴史的な背景を考察しながら、ウイスキーの飲み方について書いてまいります。ウイスキーの飲み方8選を、おすすめ順にご紹介します。

ウイスキーの飲み方8選をおすすめ順にご紹介

ウイスキーの飲み方1:基本のストレート

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ストレートは氷がないので薄まらず、ゆっくり飲めるのもメリット

最も基本的で、最もオススメの飲み方であるストレート。おそらく、ウイスキーが生まれた当初から親しまれてきた飲み方でしょう。

ウイスキーの歴史は古く、製氷機が生まれる遥か以前から存在していましたので、基本的にはそのまま飲まれていたと思われます。また古くに確立された製法から、ストレートで飲むように調整されてきたと思われます。

樽出しそのままのウイスキーの度数は50~70度ほどあり、それに加水して40度ほどに調整して瓶詰めされています。それはつまり作り手がストレートで飲んで一番美味しいようにウイスキーを作っているということを示しています。(酒税法が影響していることもあります。)

ですから、本場スコットランドではストレートで飲むのが一般的で、割ると言ってもせいぜいトゥワイスアップ(氷なしの一対一の水割り)までだと聞きます。

エッセイ『今夜もウイスキー』でも、ネス湖の近くのバーにて、客とバーテンダーがウイスキーの飲み方について話すくだりがありました。いわく、本場の土着のバーテンダーは、「氷を入れるなんて邪道だ」とばかりの態度をとったそうです。

いかに基本とはいえ、アルコール度数40度近いものをストレートで飲む際には注意が必要。飲むというより、口に含んで唾液と空気をまぜ、体温で香りを開かせ、香りが抜けたら飲み込む、といった具合です。

口の中のみならず、鼻腔も含めさまざまの感覚機能で楽しみましょう。ストレートは刺激が強いので、一口ごとにチェイサーの水で口の中をリフレッシュするのが基本です。その際のお水も、氷が入っていたり冷えすぎたりしていると感覚を殺すので、チェイサーの水は体温に近いぬるま湯をおすすめします。

またストレートで飲むグラスは、香りが楽しめる口が広いワイングラスやブランデーグラス、よりこだわるならブレンダーが使用するテイスティンググラス(ノーズグラス、チューリンプグラス)がオススメです。

ウイスキーの飲み方2:香りを開くトゥワイスアップ

ウイスキーを同量の水で割るトゥワイスアップ。ウイスキーをもっとも分析的に楽しめると言われています。水を加えることによって特に香りが開きます。またアルコール度数が下がることにより、アルコールの刺激も減って、より細かい味覚を楽しめるようになるのもポイントです。

ただし、ウイスキーは基本的にはストレートを念頭に作られているので、加水によって味わいのバランスが崩れるリスクもあります。これは香りが強い高品質なウイスキーほど顕著です。

初めて飲む銘柄の場合は、まずストレートで香りを楽しんで、トゥワイスアップでより細かく「利き酒」することで、より深くウイスキーを楽しめます

バーなど、お店でウイスキーを楽しむ場合は、ストレートとチェイサーの水を頼んで、自分でトゥワイスアップにするのもありだと思います。ただ、自分の手元での加水は通っぽいかもしれませんが、バーテンダーを差し置いて手元で加水するのは見た目に美しいものではないので、バーの雰囲気を壊さないようにくれぐれも心がけましょう。

ちなみに、日比谷バーなどの、ウイスキー飲みに理解のあるお店であれば、加水用の器具(ストロー)までつけてくれることもありますので、そうした店員さんがいるお店で飲むといろいろと安心です。

ウイスキーの飲み方3:ホットウイスキー

ウイスキーの隠れたポテンシャルを紐解くホットウイスキー。ウイスキーは常温で飲むのが一般的ですが、お湯割りにすることで、普段は現れない微細な香りと味わいが楽しめます。(一方で熱によって飛んでしまう繊細な香りもかなりあります。)

日本では、サントリーのオールドが、CMでホットウイスキーを勧めていましたね。

割り方は、先にウイスキーをタンブラーグラスなどに注ぎ、同量から3倍程度のお湯を注ぎます。熱湯を注いでしまうとグラスが割れたり、また細かい香りが飛んでしまったりするので、温度にして80度ぐらいのお湯がちょうど良いです。

焼酎お湯割りと同様の楽しみ方ができるのですが、日本の一般的な本格焼酎は税法の関係で多くはアルコールが25度、対してウイスキーは40度程度ありますので、普段から焼酎お湯割りを楽しまれている方は、ウイスキーに対するお湯の割合を多めにするとちょうど良くなります。

またハイボールと同様に、柑橘類やスパイスなど、香りを締めるトッピングの相性が良いのもホットウイスキーの特徴。本場ではシナモンスティックを入れたり、レモンやライムを加えたりするそうです。純粋にウイスキー本来の香りや味わいを楽しむのであれば、お湯だけにしておくのがおすすめです。一番はストレートでそのまま飲むことなんですけどね。

ウイスキーの飲み方4:炭酸で香り華やぐハイボール

ウイスキーを飲み方の観点で観た場合に、日本でもっとも消費されているのがハイボールでしょう。いわゆる炭酸割りです。炭酸によって一気に香りが広がり、ストレートやトゥワイスアップでは感じづらい香りを楽しめるのが良い点です。ボウモアアードベッグラフロイグといったスモーキーな香りがあるウイスキーをより深く楽しめる飲み方です。

日本でハイボールというと一般的にウイスキーのソーダ割りを指しますが、厳密にはハイボールとはカクテルの製法の一つで、炭酸入の飲料でスピリッツ(蒸留酒)を割ったものはすべて「ハイボールスタイル」に分類されます。海外で頼む場合はウイスキーのハイボールスタイルと言えば間違いないでしょう。

なぜ日本でハイボールといえばウイスキーになったのかというと諸説ありますが、サントリー社がウイスキーを日本に浸透させるために、銀座の料理屋で和食に合う飲み方として水割りとともに提案したことがきっかけと言われ、トリスバーを起爆剤として一気に広まりました。

また2000年台に入り、サントリー社が健康ブームの中でカロリーやプリン体の観点でビールに対する優位性をうたい、ジョッキに大量のハイボールを作ってゴクゴク飲む、という飲み方を提案するに至り、さらに定着した感があります。ハイボールにすることでビールと同じ程度の度数に調整することで、ビールが定着した日本のマーケットに適合したのですね。

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ハイボールは食前酒として楽しむのがオススメ

ちなみにハイボールについて個人的に思うことは、バーで頼むというより、ビール同様に居酒屋などで食前酒として楽しむものだということです。それも少量。大量に飲むと体が冷えるし、消化にも良くはありません。

ハイボールは炭酸によって胃壁を刺激し、食欲増進、消化促進の効果を求めた飲み方であり、純粋にウイスキーを楽しむ飲み方としてはベストな選択肢ではないと考えています。

バーで飲む場合も、私は氷なしで頼みます。そもそも氷を入れるのは、香りを長く活かすために、温度の上昇によって炭酸から二酸化炭素が抜けてしまう速度を遅くするためにある(と考えている)のですが、氷があると、

  • 冷えすぎによって味覚が麻痺すること
  • 氷の扱いが悪いバーでは品質が一気に落ちること
  • あまりに冷たいために内蔵に強い負担がかかること

といったデメリットがあるためです。氷を抜くと、温度上昇により炭酸が早く抜けてしまう弱みはありますが、上記の氷によるデメリットを回避できるうえ、徐々に炭酸が弱くなっていくことによる香りの変化が楽しめるのも良い所です。また妥協しないハイボールを出しているバーでは、ウイスキーを冷凍庫でキンキンに冷やしているところもあるため、そうしたところでは氷なしでも十分に冷えたものが出てきます。

ハイボールについてまとめると、

  • 炭酸によって香りが華やぐのが一番のメリット
  • 基本的には居酒屋で食前酒として楽しむもの
  • 本気で味わうなら氷なしがおすすめ

ちょっと良いウイスキーを、ちょっと良いバーで楽しむ際は、是非他の飲み方を試してから、最後に氷なしで楽しむのがおすすめです。

ウイスキーの飲み方5:ゆっくり飲むときはハーフロック

後述するオン・ザ・ロックスに水を加えたタイプ。オン・ザ・ロックスは強すぎるし、かといって水割りでは味気ないという方にオススメの飲み方です。

とはいえ、ハイボールの項で説明した氷によって冷えすぎる問題がありますので、個人的にはあまりおすすめしない飲み方。オン・ザ・ロックスの氷は、ウイスキーを冷やすことによってアルコール度数の高さを感じさせないようにしつつ、原液に近い味わいを楽しむ意図がある(と考えている)のですが、ハーフロックはちょっと中途半端。

私がハーフロックで頼むシーンがあるとしたら、「気温が高いバーで、ゆっくりとウイスキーを楽しみたいが、オン・ザ・ロックスだと度数が強すぎるかな…」といった場合くらいでしょうか。

ウイスキーの飲み方6:のどごしを楽しむ水割り

食べ物に合わせるなら水割りもあり
食べ物に合わせるなら水割りもあり

ハーフロックの水の割合を増やした飲み方。ビール感覚で冷たいウイスキーをゴクゴク喉に流し込みたい方には良い飲み方です。

作り方は、タンブラーグラスに氷を入れて、ウイスキー1に対して水を2~2.5ほど入れます。ハーフロックよりさらにアルコール度数が低いので、ゴクゴク飲んでのどごしでウイスキーを楽しむにはちょうど良い飲み方

これもバーでウイスキー自体を楽しむよりは、居酒屋で食事とともに楽しむ飲み方だと個人的には考えています。

ただし、水割りも一気に飲むと内臓が一気に冷えるので、少量にするとか、温かい食べ物と合わせるなどして内蔵に負担が来ないようにすると体に優しくなります。二日酔いになりにくいです。

また水割りにするさいは、タンブラー・グラスに移す前にワイングラス等でスワリングして酸化、デキャンターしてから用いたり、またトッピングにウイスキーを少し垂らしたりすると、手はかかりますが、段違いに香りが華やかな水割りが作れます。

ウイスキーの飲み方7:アルコールが和らぐオン・ザ・ロックス

インドに派遣された英国将校が始めた飲み方という説もあるロック。日本では、焼酎の飲み方としても一般的です。

ストレートではなくわざわざ氷を使う意図は、氷でキンキンで冷やすことで、アルコール度数の強さを和らげる(麻痺させる)というものです。つまり、「ストレートでウイスキー自体の味を楽しみたいけど、そのままだとちょっとアルコールがキツイなあ…」という人向けの飲み方(であると勝手に理解しています)。

上記の観点でからいうと、氷に求められる機能は、

  1. ウイスキーをよく冷やすこと
  2. ウイスキーを薄めないこと

の2点になります。よって、キンキンに冷やしてガチガチに締まった氷を使うのが望ましいです。また、ウイスキーを薄めないために、体積の割に表面積が小さい、つまり「真球」により近いほどよい氷であるといえます。バーテンダーさんが手を冷やす苦労を甘んじながら、アイスピックで氷を丸く加工するのはこうした理由があったのです。

さて、ここまで説明したものの、個人的にはウイスキーを楽しむ飲み方としてはオン・ザ・ロックスはあまりオススメしていません。ウイスキーそのままの味わいを楽しむのであれば、ストレートを飲めば良いのです。

ただ、味わいに関する理屈ではなく、涼やかな美しさといった感性的な部分をより楽しめることも確か。みなさまの好き好きで楽しみましょう。またロックグラスに合うオールドファッションドグラスを探すのも一興です。オールドファッションドグラスは一生ものなので、見飽きしないシンプルさと口当たりの良さで選ぶのがおすすめです。

 

ウイスキーの飲み方8:ミスト

ミストとは、クラッシュドアイスにウイスキーを注ぐ、新しい飲み方。クラッシュドアイスにウイスキーを注ぐやりかたは、さきほどのオン・ザ・ロックスの項で述べた氷の条件と真逆なので、ウイスキーを楽しむための飲み方としては疑問です。

とはいえ、とにかく見た目に涼しく趣があるのも確か。最近では、ジムビーム(Jim Beam)のCMによって女性タレントがミストで飲んでいる姿が広く見られているので、今後は一般的な飲み方として定着してくるかもしれません。

飲み物というより、大人のかき氷といった感覚で楽しむと良いでしょう。

まとめ:ウイスキーを100%楽しむために

さて、ここまで、ウイスキーを100%楽しむための飲み方をご説明してまいりました。結論としては、たった4種類の飲み方でウイスキーの香りと味わいを100%楽しめると思います。具体的には、

  • トゥワイスアップで細かな香りと味わい
  • ストレートで本来の力強い香りと味わい
  • 氷なしのハイボールで華やかな香りの広がり
  • ホットウイスキーで熱による香りの広がり

を楽しむことができると考えています。

上記の4種類にない、水割りやオン・ザ・ロックスやハーフロック、ミストといった飲み方は、ウイスキーの香りや味わいを100%楽しんだ上で、さらに食事との相性や見た目といった要素を取り込んで、100%以上に楽しむ飲み方であると言えるでしょう。

長い記事になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。この記事をお読みになった方は、下記よりウイスキーを探してみてはいかがでしょうか?

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