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ウイスキーに合うつまみについて本気出して考えてみた。

ウイスキーに合うつまみを探して

NHK連続ドラマの「マッサン」のヒットや、ニッカの「フロム・ザ・バレル」の受賞などでかなり盛り上がっている2015年のウイスキー事情。

ウイスキーはいいけど、どんな食べ物と楽しめばいいんだろう?という話題も有ると思うので、一度ウイスキーのつまみについて本気出して考えることにしました。

ウイスキーとつまみについての私の基本スタンス

ウイスキーの飲み方の基本

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主役はウイスキー

ウイスキーとつまみについての私の基本的なスタンスの1つは、「ウイスキーを楽しむためにつまみがある」といったもので、つまみ(あるいは食事)のためにウイスキーがあるわけではないということです。

またさらに言えば、良いウイスキーを素直に楽しむにはストレートもしくはトゥワイスアップ(氷なしで一対一の水割り)の飲み方がベストだと思っています。

なぜなら樽出しのウイスキーの度数は50~70度ほどあり、それに加水して40度ほどに調整して瓶詰めされているのであって、それはつまり作り手がストレートで飲んで一番美味しいようにウイスキーを作っているということを示すからです。(ちなみに度数を調整せず、樽出しのまま瓶詰めするものをカスクストレングスと呼び、特別に扱っています)

ですから、本場スコットランドではストレートで飲むのが一般的で、割ると言ってもせいぜいトゥワイスアップ(氷なしの一対一の水割り)までだと聞きます。

ウイスキーにはじめに氷を入れて飲んだのは誰か?

ちなみに、ウイスキーに氷を入れて、さらに加水したり炭酸水を入れたり、といった飲み方は、インドに派遣された英国将校が始めた飲み方という噂もあります。

インドはスコットランドよりずっと暑いですから、当然の進化なのかもしれません。東麻布のスーリヤというインドレストラン経営者のビジャイ・バンダーリ氏の話では、インドでのウイスキーの一般的な飲み方はソーダ割りだそうです。

また日本でハイボールが一般的なのも、サントリー社がウイスキーを日本に浸透させるために、銀座の料理屋で和食に合う飲み方として提案したことがきっかけと言われ、トリスバーを起爆剤として一気に広まりました。

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ジャパニーズ・ウイスキーは銀座から

また2000年代に入ると、サントリー社が健康ブームの中でカロリーやプリン体の観点でビールに対する優位性をうたい、ジョッキに大量のハイボールを作ってゴクゴク飲む、という飲み方を提案するに至り、さらに定着した感があります。恐らく大多数の日本人にとって、「ウイスキーがお好きでしょ?」と言われてイメージする「ウイスキー」は、ジョッキに入って氷と水に薄められたウイスキーなのではないかと思います。

もちろんそれは悪いことでもなんでもなく、サントリー社のマーケティングが奏功し、ウイスキー文化が日本にて独自の進化を遂げた結果であって、尊重すべきものだと考えています。日本のウイスキーが非常にまとまっていて繊細な香り、味わいに進化していったのも、こうした飲み方や食文化が背景にあるからだと思います。

ウイスキーの作り手の想いを尊重した飲み方、つまみの選択こそがベスト

さて、少し脱線してしまいましたが、私はできればそうした背景の文化と、作り手の意思を尊重しながら飲みたいと思っていますので、スコットランドで作られたウイスキーは基本的にはストレートまたはトゥワイスアップで飲むようにしております。

よって必然的に、私にとって、スコッチウイスキーを楽しむためのおつまみは、ウイスキーのストレートもしくはトゥワイスアップに合うつまみということになります。

またサントリー社の角や白州といったウイスキーはハイボール「も」念頭に置いて作られておりますので、そうしたウイスキーを飲む際にはハイボールで飲むのもありだと思いますし、その際にはハイボールに適したつまみを選ぶべきだと思います。

ここまで、スコットランドと日本のウイスキー文化について差異をあげつらってまいりましたが、アイルランドやアメリカ、カナダなど、その土地によって異なったウイスキー文化があります。

ですから、単に味わいだけでなく、飲むウイスキーを育んだ文化や背景まで味わおうと思ったら、そうした文化にあわせたつまみを選ぶべきだと思うのです。

前置きが長くなってしまいましたが、言いたいことは、

  • 「ウイスキーに合うつまみ」という漠然としたくくりでは、適したつまみは選べない
  • 産地や作られ方、飲み方によって適したつまみを選ぶべき

ということです。これから、ウイスキーの種類別、さらに飲み方別におすすめのウイスキーを紹介してまいります。

スコッチ・ウイスキーの飲み方と、それに合うつまみ

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麦畑

私は基本的には、スコッチ・ウイスキーと食事は合わない」というスタンスをとっています。

というと、

  • 居酒屋でハイボールを頼むときも何も食わないのか!
  • そんな飲み方してたら肝臓こわすぞ!

といった反応がありそうですが、まあ聞いてください。

酒はうますぎると、食事の魅力、ひらたく言えば味わいや香りを消してしまうと思っています。

ここでいう「うますぎる」とは、酒単体で飲むときに感じられる味わいや香りの

  • 幅広さ
  • 複雑さ
  • 強さ

が大きいことを言っています。

さきほど申し上げた通り、基本的にスコッチウイスキーはストレートまたトゥワイスアップで飲むものだと思っておりまして、その観点で言うと、食事の際に飲むには「うますぎる」んですよね。要は食事の良さを覆い尽くしてしまう、相殺してしまうんです。

ですから、ウイスキーと食事の距離感は、ウイスキー引き立てるためのサブとしてちょっとしたつまみがあればいいかな、くらいがベストであると思います。

その前提で、スコッチウイスキーとつまみの関係について、いろいろ書き連ねていきたいと思います。

ブレンデッド・ウイスキーでスモーキーなものは、ストレートまたはトゥワイスアップで飲み、燻製食品を合わせる

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スモーキーな香りを決定づけるピート(泥炭)

ススコッチ・ウイスキーのなかでも、ブレンデッドウイスキーは味わいが強いモルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーをバランスよく混成したウイスキーです。シングルモルト・ウイスキーと比較して、味わいや香りが洗練されて飲みやすいのが特徴。

銘柄は2000~3000種ほどあると言われており、きわめて多種多様で一概に言えないのですが、「スモーキーか否か」で飲み方、つまみを選ぶと良いと思います。

スモーキーなウイスキーは、味わいももちろんですが、なにより複雑な香りを楽しめるので、ストレートだけでなくトゥワイスアップで香りを開いて飲むのにも適しています。また香りを楽しむ観点ではスコッチの中でも例外的に、ソーダ割でも楽しめるでしょう。

個人的なものですが、燻製食品の中でもオススメなのは、

  • スモークドチーズ
  • スモークドサーモン
  • いぶりがっこ

などです。

また、ここでいうスモーキーなブレンデッド・ウイスキーの例を挙げておきますね。

ブレンデッド・ウイスキーで、煙たくないものはストレートで飲み、スイートチョコやナッツ、ドライフルーツを合わせる

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香味があっさりしたものを

煙たくない、というと語弊があるかもしれませんが、ピート香が少ないということはつまり、そのウイスキーを配合したブレンダーは煙たさではなく他の香味を優先しているということが言えます。

こうしたウイスキーは、蜂蜜やバニラのような香りや、味わいのまろやかさを強調したものが多いので、つまみに燻製を選ぶのはあまり適しません。

香りが少なく、シンブルな甘味や苦味が楽しめるつまみがオススメです。たとえば、

  • スイートチョコ(ミルクを加えていないチョコレート)
  • ナッツ(特にピスタチオがオススメ)
  • ドライフルーツ

また、ここでいう煙たくないブレンデッド・ウイスキーの例を挙げておきますね。

アイラ・モルトには、燻製か海に由来するつまみを合わせる

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海の香りがするアイラモルトには海のものを

淡路島より大きく、佐渡ヶ島より小さいアイラ島のモルトウイスキーはアイラ・モルトと呼ばれ、スコッチ・ウイスキーの中でも際立った特徴があります。

この島で作られるウイスキーは海に囲まれていることから、モルトの乾燥の際に使うピートに海藻が含まれ、かつ潮風を取り込むことから、ウイスキーに海を感じる香り、味わいにも潮っぽさが含まれているのが特徴です。

このウイスキーも煙たさ、潮っぽさの香りをメインに楽しめるので、ストレートやトゥワイスアップだけでなく、ソーダ割りもアリでしょう。

また変わった飲み方としては、グラスの縁に塩をまぶす「スノースタイル」も、潮を感じる飲み方としてなかなかオツなものだと思います。(もっとも、これをバーで頼むのは気取ってるみたいでそれなりの勇気がいりますが。。。)

アイラモルトはかなりピーティで煙臭いために、つまみには燻製ものも合いますが、やはり海のものが良いでしょう。

たとえば、

  • 生牡蠣(もちろん燻製もあり)
  • オイルサーディン(イワシのオリーブオイル漬け)
  • 塩辛

などがオススメです。ボウモアの蒸溜所併設のレストランでは生牡蠣に垂らして食べたり、アードベッグの近所の家庭ではシチューかけたりもします。

アイラモルトの代表的な銘柄は、

などがあります。

アイリッシュ・ウイスキーの飲み方と、それに合うつまみ

スコットランドよりも先にウイスキーが作られてたと言われる、アイルランドのウイスキーは「アイリッシュ・ウイスキー(irish whiskey)」と呼ばれます。またスコッチ・ウイスキー(scotch whisky)との綴りに差異があるのも面白いところです。(前者にはeが入っている。)

これは、スコッチ製造者が、アイリッシュに対抗してあえてスペルを変えた、という説があるそうですが、はっきりとはわかっていません。

ちなみにアメリカやカナダのウイスキーは、作り手がアイルランド系かスコッチ系かによって綴りが異なります。

さて、話が若干ずれてしまいましたが、アイリッシュ・ウイスキーの特徴は、モルトの乾燥の際にスコッチ・ウイスキーで一般に使われるピート(泥炭)を使わないことと、スコッチに比べて一回多い三回蒸留を行うことです。

ゆえに、煙たさが殆ど感じられない、非常にスムースなウイスキーになります。

よって、飲み方はストレートがオススメで、あわせるつまみは、煙たくないブレンデッドで述べたものと同様に、

  • スイートチョコ(ミルクを加えていないチョコレート)
  • ナッツ(特にピスタチオがオススメ)
  • ドライフルーツ

などがオススメです。

アイリッシュ・ウイスキーには例えば下記のものがあります。

アメリカン・ウイスキー、カナディアン・ウイスキーの飲み方と、それに合うつまみ

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バーボンは主にとうもろこしで作られる

さきほどアイリッシュ・ウイスキーの項でも述べたように、アイルランド系、スコットランド系の移民が確立したのがアメリカン・ウイスキーカナディアン・ウイスキーです。

当初は東海岸で大麦やライ麦を作り、モルト・ウイスキーやライ・ウイスキーを作っていたそうですが、内陸に踏み込むにつれて、その地でさかんに栽培されていたトウモロコシを主原料にするコーン・ウイスキーを手がけるようになりました。

そしてケンタッキー州に至り、アメリカ独立に寄与したブルボン朝に敬意を表してバーボン(bourbon)として素晴らしいウイスキーに成長しました。アメリカン・ウイスキーといえば、ほとんどバーボンといっても過言ではありません。

そして禁酒法時代にバーボンに代わって生産を伸ばし、品質を上げて世界に名を轟かせることになるのがカナディアンウイスキーです。

いずれもトウモロコシを主たる原料とし、

  • 主原料がとうもろこし
  • ホワイトオークの樽を焦がして使う(バーボンの場合は新樽に限る)
  • 三年以上の樽熟成を行う(例外あり)

という特徴があり、やはりこうした特徴を活かした飲み方、つまみがオススメです。

コーンに由来するため、シングルモルト・ウイスキーやブレンデッド・ウイスキーに比してシンプルな香りのものが多いので、飲み方は味わい重視でストレートがオススメ。沢木耕太郎も、『バーボン・ストリート』という書籍のなかで、「アルコールは何でも飲めるが、ストレートで飲んで間違いのないものとしてバーボンを飲むようになった」と記述しています。

つまみは原材料に併せてコーン系のものや、ストレートの強い味わいに負けない濃厚な香味を持つ乾物がオススメです。たとえば、

  • コーン系のおつまみ(水煮の缶詰、焼きトウモロコシ、ジャイアントコーンなど)
  • ビーフジャーキー
  • レーズン

アメリカン・ウイスキー、カナディアン・ウイスキーには例えば下記のものがあります。

ジャパニーズ・ウイスキーの飲み方と、それに合うつまみ

ジャパニーズ・ウイスキーのあけぼの

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山崎や白州はいまや定番

満を持して最後にご紹介するのが、ジャパニーズ・ウイスキーです。スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンと並んで5大ウイスキーに数えられます。

ジャパニーズ・ウイスキーは、NHKの「マッサン」で知られたように、竹鶴政孝がスコットランドで製法を学びそれを記した『竹鶴ノート』が起源になっており、スコットランド直系の作りだということが特徴の1つです。

最初は寿屋(現サントリー社)の鳥井信治郎が、竹鶴政孝を呼び奈良伏見の天王山に山崎の蒸溜所を作らせたのが始まりで、以後はニッカの余市や宮城峡、サントリーの白州、本坊酒造の信州マルス、秩父のイチローズ・モルトなど今日まで歴史をつないでいます。

醒めよ人! すでに舶来盲信の時代は去れり 酔わずや人 我に國産至高の美酒 サントリーウヰスキーはあり!」の売り文句で出した国産第一号のウイスキー「白札」は販売的には失敗に終わったものの、原酒の成長やマーケットニーズとの調整によって成功し、日本をウイスキーの一大産地に押し上げました。

ジャパニーズ・ウイスキーの特徴

前述のとおり、食事中に酒を飲む文化がある日本に根付かせるため、銀座の料理屋にて水割りによる飲み方を提案したり、またスコットランドと比較にならない暑さの夏がある日本でウイスキー売るために、トリスバーを全国展開して街場で気軽に涼める酒としてハイボールを根付かせるなどして市場を広げてきた歴史があります。

そのためジャパニーズ・ウイスキーは

  • 食事に合うように、尖った香味がない(煙すぎたり、潮っぽすぎたりしない)
  • 水割りやハイボールにしても美味しいようにできている

という傾向があります。(あくまで私見ですよ、念のため。)

バーテンダーズ・マニュアル著者の花咲一夫さんの言葉を引用させていただくと、

「ハイボールにするとウイスキーのさまざまな香りが広がっていくが、「角」はそのバランスが非常に良い。風船に例えると、曲芸に使う風船のように一部だけ膨らんでいくものもあれば、均一にまんまるに膨らんでいくものがある。「角」は後者で、伸びが良い」(意)

ということになります。ポンと膝を叩きたくなるような、素晴らしい表現ではありませんか!

では、ジャパニーズ・ウイスキーに合う飲み方、つまみは何か

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唐揚げにだって合う

そういうわけで、日本のウイスキー、特にサントリー系はストレートやトゥワイスアップで飲むのも良いですが、水割りやハイボールで飲んでも美味しいのでオススメです。

竹鶴政孝が理想とするスコッチの作り方を実践したニッカ系のウイスキーや、『竹鶴ノート』を参考にして作られたマルスウイスキー系はストレートで飲むのが良いでしょう。

とはいえ日本市場を念頭に置いて作られていますから、やはり一般的なスコッチに比して水割りやハイボールの相性は良いと思います。最近話題のベンチャー蒸溜所、イチローズモルトは、ハイボールで飲むにはもったいない値段なので、そちらもストレートがオススメです。

さて、つまみについて言うと、ストレートで飲む場合はスコッチ同様に

  • スイートチョコ
  • ナッツ系
  • ドライフルーツ

などがオススメです。

つまみについて具体的に挙げるのが難しいのはハイボールで飲む場合。

ビールが合う食事全般に相性が良いと思いますが、日本のハイボールは柑橘の香りをまぶすことがあるので、あえていえば、

  • 唐揚げなどの揚げ物
  • サラミやソーセージなどの肉類
  • 餃子

などの、油でこってりした料理とさっぱりした柑橘の香りの相性が良いのではないでしょうか。

ウイスキーに合うつまみについて本気で考えた結果のまとめ

以上、長々と書いてまいりましたが、むりやり三行にまとめると、

  • ひとくちにウイスキーといってもいろんな種類があるから、種類にあわせた飲み方、つまみを選びましょう
  • ウイスキーは基本的にはストレートで飲むのが一番美味しいように作られているので、ストレートで飲んでみましょう。その際はそれを踏まえたおつまみを選びましょう。
  • 水割りやハイボールにしても美味しいように作られているウイスキーもそれはそれでオツなもので、そうした飲み方をする際は一般的なウイスキーのつまみという枠にとらわれず、いろんなつまみを楽しみましょう。

ってな具合です。

汚い文章ですが、みなさまの素敵なウイスキーライフのご参考にしていただけましたら幸いです。

ウイスキーに興味もっていただけた方は次の記事もどうぞ。

※すべて管理人の主観に基づいた内容です。念のため。

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