オーヘントッシャン12年について
オーヘントッシャン12年はスコットランドのローランド地方で作られるシングルモルト。昔ながらの3回蒸溜が特徴。ローランド・モルトに分類されます。
オーヘントッシャン12年といえば、グレンキンチー、ブラドノックと並び、非常に数少ないローランド・モルトの生き残りです。
なかでもこのオーヘントッシャンはローランド・モルトの特徴である3回蒸溜を頑固に続けている蒸溜所として知られています。
もともとアイルランドで3回蒸溜されていたことから、アイルランド移民がオーヘントッシャン蒸溜所を建設した際にその技術を使ったとも言われていますが、定かではありません。
個人的な仮説としては、ローランドはイングランドに近いために税吏官の取り立てが厳しく、増税を密造でしのぐことができないため、苦肉の策としてニューポットの度数を上げる(スコッチで一般的な2回蒸溜ののちにさらにもう一回蒸溜)ことで、クリアな原酒を生み出し、熟成年数を減らした対応したのではと思います。
(このあたり、ご存知の方ご教示いただけると幸いです。)
オーヘントッシャン12年の香りと味わい
さて、そんなオーヘントッシャン12年の香りと味わいです。
ピートは焚いてないか、焚いていたとしても非常に少ないはずですが、スモーキーな香りというか、ほのかな焦げ感があります。3度も蒸溜すると、加熱処理が重なって焦げのような香りが出るのかもしれません。あるいは、度数が高い原酒を樽詰めすることで樽の香りが強めに移っているのかもしれません。
また、悪くない意味で、ニューポットに通じるフェインティな香りと、酵母様のイースティな香り、パンのような香りがあります。
味わいはクリアでスムースながら、どこか度数が強い酒にありがちなパンチのある味わいになっています。やはり蒸溜の度数の違いが原酒に影響しているのかもしれませんね。
総合して、オーヘントッシャン12年は個性の強いさけではありませんが、ローランド・モルトの特徴を知る観点で、ウイスキー好きのみなさまにはおすすめです!